asahi.com マイタウン北海道に「子育てタクシー」が取り上げられました
子育てタクシー 出足好調 札幌で開始
◆仕事や妊娠 送迎できぬ親活用
妊婦や乳幼児が気軽に利用できる「子育てタクシー」が札幌市内で始まった。道内ではほかにも帯広市のタクシー会社が一昨年から運行中で、同様のサービスは全国で広がっている。過当競争が続くタクシー業界。背景には独自サービスで差別化を図り、固定客をつかむ思惑がある。
(諸星晃一)
◆差別化、固定客狙う
今月から子育てタクシーを始めたのは、札幌市西区の「札幌団地タクシー」。同市内では初めてのサービスで、中央区、西区、手稲区と、北区の一部に配車している。
仕事や妊娠などで、保育所や塾、習い事などへの子どもの送迎ができない親たちが活用している。車両は完全禁煙で、必要ならばチャイルドシートも用意する。妊婦や乳幼児を連れた親も利用できる。
利用者は子どもの年齢や送迎先の場所、保育士名などを事前に登録。利用の前日までの予約が必要だ。すでに約10世帯が登録。塾などの送迎で毎週利用する家庭もある。
運転手が子育ての「勉強」をしている点も、特徴の一つだ。子育てタクシーは「全国子育てタクシー協会」(京都市)の登録商標。運転手は、同協会指定の養成講座と保育実習を修了する。同社では22人の運転手が修了済みで、約10キロの重りをおなかに抱える妊婦体験もしたという。
帯広市の「中央タクシー」は2008年10月から子育てタクシーを運行、同市内や近郊に配車している。
現在は約80世帯が登録し、保育所の送迎などで利用されることが多い。当初は需要があるか不安もあったが、業務主任の宮野芳行さんは「お母さん同士の口コミで登録が伸びた。不況の影響で共働き世帯が増えていることも利用につながっている」とみる。
両社とも料金は通常のタクシーと同じ。近距離の利用が大半で、利益は大きくない。それでも、宮野さんは「質の高いサービスを地道に続け、若い世代の固定客も獲得したい」と前向きだ。
背景には、タクシー業界の過当競争がある。規制緩和による新規参入や不況の影響で、札幌も十勝も厳しさは増すばかり。札幌団地タクシーの宮坂治社長は「収益が落ち込み、何かやらなければという危機感から、子育てタクシーを始めた」と打ち明ける。
札幌では電子マネーに対応するタクシー会社なども増えてきたが、各車両に読み取り端末を設置することが必要。宮坂社長は「多額の設備投資はとても無理。新しい取り組みで差別化を図り、厳しい競争を生き抜きたい」と話す。
全国子育てタクシー協会は06年の設立以来、加盟社が増加。現在は全国約70社が加盟している。
(asahi.com マイタウン北海道 2010年04月27日)
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