◇子育てタクシー広がる「気遣う声が社会も変える」
諫早市小長井地区を中心に運行する「湯江タクシー」の内田輝美社長(42)は20歳の時、他界した父のタクシー会社を継いだ。仕事に奮闘しながら子育てをして気付いたことがあった。子どもが巻き込まれる事件の多発や、学童保育、塾通いなどで子どもの送り迎えのニーズが増えてきたのだ。内田社長は対応を考えた。そして知ったのが、香川県で始まっていた「子育てタクシー」だった。
子育てタクシーは乳幼児を伴った外出時のサポート、保護者の代わりに子どもの送迎をする。運転手は小児救急法を学び、全国子育てタクシー協会の養成講座も受けている。料金は普通のタクシーと同じで、割り増しはない。内田社長は早速導入した。
その後、内田社長の尽力で、諫早市では市内のタクシー会社全9社が子育てタクシーを始めた。内田社長自身が同協会の会長を務めるようにもなった。
市内での子育てタクシー利用は9社で月平均10~15件とまだまだ低調だ。しかし、内田社長は語った。「『お客様と運転手』である前に、地域のおじさん、おばさんとして子育てを支援する公共交通機関を目指します」
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佐世保市の交通バリアフリー推進協議会委員で、「子育てサークルネットワークさせぼ」運営委員でもある吉田恵美子さん(35)は語った。「バリアフリーには道路の段差解消などハード面整備も重要だが、『心のバリアフリー』が欠かせない」。そして、昨年12月の「0歳児のママ交流会」で聞いた、ある母親の体験談を例に挙げた。
母親が市内で路線バスに乗ろうとした時だった。0歳児を抱き、ベビーカーを持ちながら慎重に乗車していると、運転手に何度も「早く乗ってください」とうんざりした声で言われたという。
「運転手は論外だが、周囲の乗客の少しの気遣いで母親は救われたはず。声を上げ続ければ、行政も社会も変わると思うんです」
【蒲原明佳、山下誠吾】
(毎日新聞 長崎版 2010.1.6)http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20100106ddlk42040239000c.html